枕選びのヒント・素材別のメリットデメリット
寝具の中で、もっとも睡眠に影響を与えるのはマットレスや敷き布団・・・と思う人も多いでしょうが、
実はそれ以上に大きな影響を与えるのが「枕」です。
なぜ、枕が、寝具の中でもっとも睡眠に大きな影響を与えるのかというと、それは何といっても「脳と中枢神経を支える寝具だから」です。
他の寝具がどれだけ充実していようと、悪い枕を使ってしまい、「脳と、頭から首にかけての中枢神経がリラックスできない」という状態になると、真の安眠は絶対に得られないのです。
ここではまず、枕選びのヒントとして、素材別のメリットとデメリットを挙げてみましょう。
羽根枕のメリットデメリット
羽根枕のメリットは、なんといっても枕の中の空気が多いため、「ふわっとした羽根の上に、
頭と首を預ける」という軽い感じが、羽根枕ならではの独特の高級感を与えてくれるという点でしょう。
デメリット
ただし、羽根枕は、ものによっては「羽根独特のにおいが気になる」「羽根の骨の部分が生地から飛び出てきたり、飛び出なくとも生地の中から頭や首を刺すような感覚になることもある」というデメリットもあります。
あと、羽根枕というのは、素材だけで見れば通気性が良いものなのですが、「防ダニ」「羽根の飛び出し防止」という目的で、必要以上に生地を厚く、密度を高くしてしまい、せっかくの通気性を台無しにしてしまっているものもあります。
さらに、安物の羽根枕の中にはフワフワ感ばかりを重視して、実際に頭を乗せると、それをきちんと支える力すらない、というものもありますよ。
ポリエステル綿枕のメリット・デメリット
ポリエステル綿の枕の大きなメリットは、
なんといっても「安価」という点ですね。通気性もそこそこあります。
デメリット
デメリットは、天然の綿ではないので吸湿性があまりない、ということと、最初は弾力がありすぎるにもかかわらず、使い続けるとへたるのが早い」という、状態変化の激しさも挙げられます。安いけど長持ちはしない・・・ということですね。
そばがら枕のメリット・デメリット
昔ながらのそばがら枕は、通気性がすぐれているのはもちろんのこと、吸湿性にもすぐれており、夏場の暑い季節であっても、頭を涼しい状態に保ちやすい、というのが大きなメリットです。
デメリットは、言うまでもなく「アレルギーリスク」ですね。
そばアレルギーの人がそばがら枕を使ってしまうと、それだけで大変なことになります。
また、そばがらは「湿気たままにしておくと虫がわきやすい」という点も注意しなければいけません。こまめに枕の乾燥を心がけられる、という人でなければ、おすすめできない素材ですね。
ストロー・パイプ枕のメリットデメリット
メリット
ストローやパイプを詰めた枕のメリットは、まず、高さ調整がしやすいということ。羽根枕やそばがら枕の多くは、中身が簡単に出せないようになっているのですが、ストローやパイプ枕の多くは、中身を出すためのファスナーがついており、中身の量の調節によって、高さを変えることができるのです。
また、ストローやパイプなら虫もわきませんし、素材そのものが丸洗いできる、というのも大きな利点ですね。
デメリットとしては、高さ調節はできるものの、
ストローやパイプそのものがかなり硬いため、ごつごつした感触で弾力に欠ける、という点が挙げられます。
また、ちょっと動いただけでストローやパイプの音が気になる、という「枕からの騒音リスク」も高い素材だと言えるでしょう。
低反発ウレタン枕のメリットデメリット
メリット
近年よく利用されているのが、いわゆる「低反発枕」と言われる、低反発ウレタン素材を使った枕ですね。人それぞれの頭や首の形状に合わせてゆっくりと沈み込むような形でフィットするので、どんな人の頭や首に対しても、負担をかけにくいというのが最大のメリットです。
デメリット
その反面、ウレタンというのは空気を通しにくい素材なので、
「頭が蒸れて、熱を持ってしまいやすい」という大きなデメリットを持っています。
また、一般的な低反発ウレタン素材というのは気温の変化に弱く、冬場になると硬くなってしまい、せっかくの低反発機能があまり生かせなくなることもあるのです。