寝室の「光」についてのポイント
私たちの「体内時計」の調整は、光による影響がとても大きいです。朝の光を見て「あ、朝が来た」と認識し、夜の暗さで「あ、寝る時間だ」と認識することによって、毎日の生活リズムを作っているわけです。
ですから、「明るい場所で寝る」というのは、体のメカニズムに逆らった行動になってしまうのです。つまり・・・寝室に一定以上の明るさの光があると、それが睡眠を阻害してしまうことになるわけですね。
豆電球をつけなくとも寝られるタイプの人なら、
寝室には一切明かりをつけず、真っ暗な状態にしておくのがベストです。
自宅の照明器具、パソコンやスマホなどの電子画面・・・昔と比べて、人間が「光の刺激」を受ける機会が激増しているからこそ、せめて寝る時だけは光の刺激からできるだけ切り離したほうがいい、というわけですね。
「寝床にいる時は真っ暗でも全然問題ないけど、夜中にトイレなどに立った時に、何も見えないと困る」という場合は、
人の動きを感知して照明を自動的につけてくれる、人感センサーライトを設置しておくといいでしょう。
寝室の明るさの限界値は?
寝室に、どのくらいの光があると、
睡眠を阻害してしまう可能性が高くなるのかというと・・・
ズバリ「10ルクス以上はNG」です。
この明るさを超えると、睡眠を誘発するホルモン・メラトニンの分泌に明らかに支障をきたすと言われています。
では、豆電球をつけた場合、その明るさは何ルクスくらいなのかというと・・・だいたい、9〜10ルクスです。
つまり、豆電球ひとつつけただけで、もう、寝室の明るさとしては限界値になるわけです。ですから「豆電球以外にも、電化製品のランプなど、何か明かりがある」という状態だと、もう「寝室としては明るすぎる」という状態になってしまうんですよ。
また「豆電球だけの明るさならギリギリOK」というわけでもありません。たとえば、あお向けに寝た際に、豆電球の明かりが直接視界に入ってくるような状態では、その明るさは実際の何倍にも感じられます。
事実、豆電球の真下に顔が来る状態で寝ると、まぶたを閉じてもうっすらと豆電球の明かりを認識できてしまうこともありますしね。これはメラトニンの分泌に大きな悪影響を与えてしまいますよ。
ですから、豆電球を使うにしても、天井の照明器具の豆電球を使うのではなく、別に豆電球のつく電気スタンドを用意し、それを床において、さらにそれを「ついたて」のようなもので隠して、間接照明のような状態にする工夫をしましょう。
とにかく、「直接、照明を見ない」という状態にすることが大切なのです。
また、寝室の照明の色は、必ずオレンジ色の電球色を選んで下さい。
同じ明るさであっても、白や青白の光は、脳への刺激が強いのです。